差し鴨居

ヒノキの差し鴨居です。
差し鴨居は梁のように太い鴨居を柱に組み込む鴨居です。
もちろん上棟時に組み立てる材料です。
組み立て方にも今では色々とやり方が出てきました。
昔は、釘くらいしか金物がなかったのでコミ栓という木で作った棒を差し込んで抜けなくしている方法もありました。
しかし、このやり方こそ一番抜けにくい方法なのです。
柱に18ミリ角くらいの穴を鴨居のホゾを貫通するように穴をあけ、そこへコミ栓をブチ抜くのです。
ただ通すのではありません。抜けなく、しかも仕口がなお一層離れなくする工夫が穴の作りに組み込まれているのです。
これこそ昔の本物の職人技という感じですね。
今の建て物は昔の本当のやり方をまねた形をつくっている事が多くなりました。
決して悪いとは思いませんが少し残念です。
道具や金物が進化してそれをうまく使う事を考え、生かしてより手間を軽減し美しく見せるのも今の建築には必要かもしれませんね。
このヒノキの差し鴨居は玄関横に見える唯一の和室の鴨居に使いました。
杉の差し鴨居は赤味を帯びていて綺麗なのですがヒノキはこの白さがまた綺麗な鴨居です。
今までの建て物では杉を使う事が多かったのですが、今回洋風の家に一部屋だけの和室と言う事もありヒノキを調達し豪華さをより引き立たせてみました。
家の強度には決して現れない差し鴨居ですが、3.6m飛んでいる梁間の下にこの鴨居がさらにあるのですから通常の薄鴨居よりは強度も出るし、豪快で美しい。
皆さんどうでしょうか?
差し鴨居のある家に住んでみては?
 

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