数寄屋造りの家と言われてもよくわからない人が多いことでしょう。
数寄屋造りは端的に言えば茶室風のお家を示していて、
数寄屋の意味は好みに合わせて作った家という場合もあります。
虚飾を嫌い、
内面を磨いて客をもてなすという茶人たちの精神性を反映し、
質素ながらも洗練された意匠が特徴です。
当初は茶室として造られた数奇屋も住宅に取り入れられるようになり、
現代では料亭や高級住宅の様式として使われています。
数奇屋の特徴は杉や丸太などの自然素材を使い、
伝統的な和風様式にとらわれずに、
竹や杉丸太を好んで使い、
杉はその木目が称揚され柱や床板に使われるのです。
内部の床の間は格式ばらずに自由な意匠を見せ、
フスマや障子に細かい工夫がなされています。
壁は白壁を用いず土塗りが主ですが、
塗りの技術は丁寧です。
数寄屋造りの代表的な建築は京都の桂離宮でしょう。
ブルーノ・タウトが永遠なるものと表現した
完全なデザインの建築物です。