外壁全てがタイル貼り
タイルへのこだわりの強いお客様でした。
近年、窯業系タイル調の外装材が主流の中、これぞ本物のタイル外壁です。
基準線を出した後、1枚1枚、目地材兼用の接着剤を使って貼り上げていきました。
下地には、耐震壁で防火性能もあるダイライトを貼り、その上に通気層をとり、タイルの下地材として地震に強いラスカットパネルを貼りタイル工事となっています。
昔のタイルは剥がれてしまったイメージがありますが、現代の材料の性能は素晴らしく接着後は「壁を破壊しない限り剥がれません」とタイル屋さんも一押しの仕事をしてきました。
これは、玄関ポーチの柱です。
丸い柱の為、芯材ももちろん丸太です。
元から裏までほぼ均一な材料を見つけてきまして1階から2階の高さまで大きなポーチ屋根を受ける柱として使用しています。
仕上がり後は厚みを増し直径40センチくらいになりました。
この柱にも全面タイルを貼り仕上げています。
ベランダの床にもタイルを貼りました。
このベランダは、一般的な工事でもある勾配を取った後FRP防水を工事しました。
その後、タイル下地をしてタイルを貼りました。
ペンキでグレーに仕上げるよりワンランク上の美しさですね!
床は床暖房を設置して、チークの床暖房対応品フロアーを貼り上げました。
腰壁をダーク色に、キッチンも同色の対面キッチン。
キッチン前の壁は壁料の関係でどうしても外すことが出来なかった壁ですがそこを利用してゴツゴツしたタイルでアクセントを出してみました。
照明もLEDの器具を揃えています。
テーブルは今では非常に高価なカリンの板(1m×3m)です。
お客様の物で和室用の低い台の上にのせていましたが、テーブル式に使うため脚を同質なカリン材で作り据え付けました。
このテーブル、重いです。男4人から6人でやっとの重さがありました。
柱と建具の大きさより少しの壁になる部分が出来てしまいました。
このような事は現場ではよくある事なのです。
ここで知恵ですね!
色々な考えの中からお客様のご要望を聞いて今回はマガジンラックにしました。
奥行き12センチの棚板をより有効な収納にするためステンパイプを使って製作しました。
建具を付けるも良し、さらに細かく仕切るも良し、壁でも良し。
だから、家づくりって楽しいし、物語が出来るんですよ!
徹底的にこだわった材料で仕上げました。
床(土間)は御影石。
式台はサクラの4mの板。
出窓下の無地袋に屋久杉の板を使ったオリジナル建具。
出窓の地板には、タモの1枚物の板。
手前の腰板はヒノキの無節羽目板。
ヒノキの差し鴨居を左右に使っています。
和室の入口の建具は下部けこみ板に焼き杉の板を使い、細かい格子をガラスで挟んだ見えそうで見えない和風のガラス戸。
天井のデザインも竿縁とゴウ天、目透かし天井をブレンドしたオリジナルデザイン。
壁は左官屋さんによる珪藻土を使用しています。
洋風のリビングとキッチンの引き戸と言う事なので私の大好きなステンドグラスをお勧めしました。と言うよりお任せでした。
このぶどうのステンドグラスは裏と表では紫と黄緑と言うように見た目が変わるガラスです。6枚続きの引き戸は珍しいので色々なパリエーションから1枚1枚裏表を入れ替え交互に違う色に見える様に配置しました。
1枚数万円のステンドグラスが実に6枚。
そしてけこみ板には建具屋さん自慢のウォルナットの板をはめ込み上品さを追求しました。
敷地が狭いので真正面から撮れないのが残念ですが総タイル貼りの家は上質な感じが伺えますね。
タイルを縦と横を絶妙に組み合わせてデザインしていくタイル屋さんもやりがいのある現場となりました。
この仕上がりを経験してしまうと本物の良さが改めて分かるような気がします。