破風板、屋根のこの部分です。
弊社の城屋根では「千鳥」という形で作っています。
天守や神社の破風は千鳥というのが一般的に見られます。
今の建築では飾り品という扱いの部材となっています。
でも日本の城を見てみてください。
いろいろな形の破風板がありますよね。一つ一つ違うのです。
この形、大きさ、角度、反り具合、城屋根には大事なところです。
この部分が屋根の顔的存在となるわけですから。
つける前と後とではえらい違いが出てきます。
この部分の形は、その時の現場の奥行や材料の大きさによって形が微妙に違ってきます。
私は、現場において必ず現場で型を取り角度と反り具合を作っていきます。
ですから大まかには決まっているのですが、正確には違った反り具合で出来上がっています。
でもその家の顔ですから、笑っている顔あり、怒っている顔ありとあるように、○○家の顔になるのでいいと私は考えます。すべて同じ大量生産できない部分があるからこそ手作りの良さ、そしてその家の価値につながると思います。
破風板の芯(つなぎ目)。素晴らしいくらいにくっつき離れないですね。
ここには弊社独自の城屋根工法の技が隠されています。
木は生きていますから多少隙間が空いたり狂ったりするのはやむおえません。
しかし、できる限りの工夫は必要でしょう。
出来る限りのことをやりながらも、最終手段は芯に銅版で飾りをつければなお一層格好よく仕上がる城屋根の顔が出来上がります。
近年はこの破風板を取るための良い丸太(適当に曲がっている)が市場に出てこない状況です。私がたくさん使えば私の行き付けの工場には入ってくると思うのでこれからもどんどん城屋根作り続けます。