垂木の上にのせる横桟をいいます。
城屋根工法では大きさが120×105の材料をまず、1段目に使用します。
こんな大きな材料をどうやって固定するのでしょうか?
固定の方法は多々考えられますね。
10年前は5寸釘(15センチ)を真上が打っていました。しかし、軒先は1mも出ているので跳ねる跳ねる・・・
そこで私たちはレッカーという道具を開発しました。
この道具は手作り品です。レッカー車ではないのですが、なぜレッカーというのかは正直わかりません。
こんな製品は売っているのも見たこともありません。
しかし、これは大事な大事な道具なのです。
垂木先端をはさみ込み、長い部分の端を押さえつけるとテコの原理で軒先の垂木とカヤオイがギッチリ固定されたかのように動かなくなります。
この状態で5寸釘を大玄能で叩き込みます。
この作業は大変なようで最高に楽しい作業なんです。
何しろ5寸釘をこんなに楽にまっすぐに打つ作業はこの時以外考えられませんから・・・
4寸の木に対して5寸では効き方が少々甘いですよね。
そこで、あらかじめカヤオイには1寸深さで溝を掘ったり、1か所1か所穴を掘っておいたりと様々な工夫をして手間をかけて加工しておきます。
この加工は作業場での屋根材加工の際に図面から位置を特定して穴を準備します。
現場でやっていては効率が悪いので、頭を使いながらのきざみを要します。
化粧垂木が2寸5分ですから釘を打ちこんでも残りが5分(15ミリ)余りますから材料の組み合わせ的に釘が出そうで出ない最高の効き具合となってカヤオイ1段目が完成するわけです。
これが10年前のやり方です。
こんな原始的なやり方もいいのですが、先ほどのレッカーを使ったやり方ですと2人居ないとできない作業です。
しかし、現代では優秀なビスが出ました。通称「ダンドリビス」。
曲げてもおれない、何回もひねっても叩いてもおれないビスがあります。
値段もいい値段しますがこれは最高のビスです。
引き寄せ具合もグングン寄ってきて、吸い付いたら離れない効きの良さ。
これを使うことにより一人でも固定が可能になり作業効率も上がりました。
勘違いしてはいけないのが同じ長さのビスでもコースレットビスでは曲げに弱いので大事な部分には絶対に使用してはいけません。
ビスに頼っていい部分もありますが、曲げには弱いので考えて使いましょう。
楽ばかり考えてはいい仕事、いい住宅は絶対にできません。