2世帯住宅です。
近くに親戚の大工さんが居るらしいのですが化粧住宅の外観と造り・ハウスメーカーとの違いを若夫婦が分かってくれ積極的に建築してくれました。
家造りの話があり私が初めて自宅のほうへ行ったときは、建て主のお父様は[自分が建てた家だったので壊さず増築]という話で始まりましたが、家族と相談し踏ん切りをつけ解体し、新築することになりました。解体した家も永山工業で建てさせてもらった家でした。
基本価格坪50万でこの家のレベルです。これで高すぎると言われれば仕方ないです。技術・経験・研究の集大成。これからも進化し続けます。
材料が2トン車ではつめないので大型トラックを頼んで運送しました。
松丸太は福島県の山林に棟梁自らが足を運び選んで林業職(木こり)の方に伐採していただいたものです。作業場では職人が皮をむき、墨付けし、穴を掘り、ホゾを付けて運ばれた材料です。
一本一本いろいろな職人の気持ちがこもっています。
桁材は2階1階とも1本物という考えが基本です。
当然5m以上となると通常、製材所にもなかなかありません。
どうしているかというと山へ足を運び自分の目で見てこれだという木を木こりさんに切ってもらい 運び出し、作業場で皮をむき、墨付けし巾を決めます。製材所のこぎりではひけない長さなので人力です。チェーンソーで半分づつ鋸をいれ丸太を落とします。そして電気カンナで平らにならします。それから柱位置などの墨をだし、穴掘り、刻み、手かんなで仕上げます。そして、われ止め液体を塗布します。
このような過程を踏んだ桁材が使われています。見える材料なので墨だし 加工前には再確認を徹底しています。この仕事に間違いは許されません。
化粧屋根部分です。
曲がり入った材料を探し、型を取り1本1本鋸でひいてそり部分を造ります。
木の使い方、見方に今も昔も関係なし。木の質が分からなければ木を使いこなせないです。
和風・洋風どちらにしても木を使って造るのですから、この仕事を出来ることに誇りを持って、この出隅を造っています。
この技術は何処にも負けません。
2寸角の根太です。
浮き上がり防止に全ネジボルトで引っ張っています。
10年くらい前の現場で、ナラの床板を貼ったときですが、板がくるって床の下地まで引っ張り上げてフワフワと浮いてしまったことがあり それ以降、ボルトを使いベタコンから引っ張り浮き上がりを防いでいます。
それ以来、浮き上がりはありません。
お風呂の出入り口は水気があり床が痛むので、お客様の要望により御影石を貼りました。
バスマットを敷くと見えなくなってしまいますがいいアイデアでした。
ヒノキ板で仕上げました。
永山工業伝統の造りです。
12cm角の角材をカンナかけし、ミゾをつきそのまま取り付けました。
真っ白のヒノキで造られ、香りはするし、上品です。
ケヤキです。
シンボル大黒柱+差し鴨居
家の主(大黒柱)家族でたとえれば世帯主
この柱なくして化粧住宅は語れません。
洋風にも立てています(大森邸)
永山工業のシンボル・トレードマーク的存在です。
和風トイレです。
腰板を杉板で張り、塗り壁で仕上げた壁。
天井はさお縁天井
すべて呼吸する材料です。
建て主のお父様のこだわりの床の間です。
クスという小口からハッカの香りがする珍しい床柱を使いました。
この材料は私がこの家を契約してからこの家に使うつもりで製材所に並んでいたものをキープしておいた絶品です。
他には無いものといわれていたので、とても喜んでいただきました。
外観は化粧造り。室内は和風あり、洋風ありと現在の化粧住宅は昔のイメージとはまったく違います。間違いなく丈夫で長持ち。飽きが来ません。
10年、15年たっても誰にでも見せることの出来る住宅です。